トクホと機能性表示食品の違い
- 2023年12月27日
- 三愛クリニック
テレビCMやスーパーなどでよく見かける「トクホ」や「機能性表示食品」とはどのようなものでしょうか。
近年、日常的に摂取する食品により、病気を予防しようと考える方が増えています。
このような意識が高まってきたのは、①医療費抑制の必要性 ②個人の健康志向 ③食品産業界における高付加価値食品への取り組み強化によるものです。
現在、機能性が表示されている食品には、大きく分けて3種類あります。
1つ目は「特定保健用食品」で「トクホ」と呼ばれているものです。
これは、健康の維持・増進に役立つことが科学的根拠に基づいて認められている食品です。
表示されている効果や安全性について、国が審査を行い、食品ごとに消費者庁が許可を行っています。
特定保健用食品として許可された食品には、下記のマークと、特定の保健機能についての表示ができます。
保健機能についての表示には「コレステロールの吸収を抑える」「食後の血糖値の上昇をおだやかにする」などがあります。
2つ目は「栄養機能食品」です。
これは、1日に必要な栄養素が不足しがちな場合、補給や補完のために利用できる食品です。
すでに科学的根拠が確認された栄養素を一定の基準量含むものであれば、特に届出をしなくても、国が定めた表現によって機能性を表示することができます。
栄養素ごとに表示できる内容は決められています。
例えば「カルシウムは歯や骨の形成に必要な栄養素です」「ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です」などです。
3つ目は「機能性表示食品」です。
これは、安全性の確保を前提とし、事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。
特定保健用食品と異なるのは、消費者庁の個別の許可を受けたものではない、という点です。
「おなかの調子を整えます」「脂肪の吸収をおだやかにします」など、特定の保健の目的が期待できる旨を表示することができます。
機能性表示食品には、三ヶ日みかんなどの生鮮食品も含まれます。
こうした食品が健康の維持・増進に役立つこともありますが、これらはお薬とは異なるため、病気の治療に用いることはできません。
すでに病気にかかっている方は、医師や薬剤師に相談した上で摂取するようにしてください。
また、体調に少しでも異変を感じた場合は、速やかに摂取を中止し、医師に相談しましょう。